アカシアで木目がきれいなデスクをDIY

はじめに

リモートワークの普及に伴い、自宅の作業環境をより快適にしようという人も増えてきました。

私もその1人で、これまで物欲に駆られてアレコレと手を出しては、また新しいものが欲しくなるという日々を送ってきました。

とりあえず形から入るタイプなので、いわゆる”沼”と呼ばれる領域にはスムーズに飛び込んでしまうのですが、せっかくなのでその過程で知ったことや思ったことをブログという形で残していこうと思いました。

要するにガジェット系ブログです。

沼と言えば、カメラやオーディオなどの有名どころは大体ハマってきていますが、とりあえずパソコンを中心とする普段の作業環境について書こうと思います。

というわけで、まずはPCデスクを新調しました。

どんなデスクにするか

これまでよくある安いデスクだったので作業スペースも狭く、デザイン的にもいまいちモチベーションが上がりませんでした。というのは言い訳になりますが、選定にあたっては以下3点を重視しました。

  • デザイン性
  • 作業性
  • コスト

まずデザインの大まかな方向性ですが、ルームツアーなどを見ていると木目が綺麗でモダンな雰囲気のものが良さげで、IKEAの「KARLBY」と「ALEX」のド定番デスクがなんやかんやいい感じでした。

ただ、KARLBYは奥行が最大65cmのためモニターを設置することを考えるとPCデスクとしては少々窮屈な点、ALEXは重さが30kg近くあり、いろいろいじる上では取り回しが大変そうです。もし引き出しが必要なら、後付けする学習机スタイルの方が汎用性が高いと思います。

他の候補としては、「かなでもの」のデスクがおしゃれでPCデスクとしても人気なようです。

天板は木材とサイズが選択・調整可能で、脚も数種類から選べるため、好みと環境に合わせて構成できます。

かなでものの脚は単品でも購入できるので、KARLBY + かなでものスクエア脚という組み合わせがデザイン的には理想的と思いつつも、微妙な奥行き不足と、いずれにしても5万円を超えるという値段に躊躇していました。

どうやら、かなでもののスクエア脚によく似た安いものがあるようです。

コストを抑えるにはDIYということで、KARLBYっぽいダークな木目の天板と、かなでものスクエア脚っぽい脚を組み合わせたデスクを簡単に作ることにしました。

天板はアカシア集成材

既製品を使わないのであれば、天板の選択肢も色々と広がります。

今回はDIYer御用達のマルトクショップでカット・加工済みの木材を購入しました。

求めていた雰囲気としてはウォールナットっぽいものですが、高級木材でお高めなため、より安価で同じように木目が綺麗なアカシア集成材を選びました。
アカシアは赤身と白太の色差が大きく、ウォールナットより鮮やかな印象で、集成材だとその特徴がさらに強調されます。もう少し落ち着いた雰囲気のタモあたりと迷いました。

実際に届いたものがこちら。

サイズは幅140 x 奥行き70 x 厚さ3cmです。

天板の広さはPCデスクとして使う場合、もろもろの機材を載せることと、特に奥行きは長時間見ることになるモニターまでの距離がおおよそ決まることから、慎重に考えたい要素です。

眼からモニターまでの距離は一般的に50cm以上は離れているのが好ましいらしく、機材にもよりますが、奥行き70cmであればモニターを置いても手前に必要な空間は確保できると思います。

幅は基本的には部屋の広さと価格との相談です。

厚みは強度と重さ、そして昇降デスクでないならわずかですが実際の高さに影響します。デスクの高さは各関節が90度の状態になるのが理想らしいので、後述しますが脚と合わせて高さ70cmのデスクになるように、厚めに3cmとしました。

加工内容は「上下R面(3R) + 磨き」と3mmのコーナーR加工です。こういった加工は大変ですし、プロにやってもらった方が高い完成度が得られます。

加工費込みで単価21,060円でした。

塗料はワトコオイル

KARLBYのようなダークな雰囲気にするため、ワトコオイルを使います。色はダークウォルナット。

初心者でもムラなく簡単に濡ることができて、濃い目の色ですが木の風合いを潰すことなく引き立たせてくれます。

マルトクショップの「自慢の作品」には先駆者たちが多くの作品を載せてくれていて、塗料との組み合わせでどんな感じになるのかも確認できるので、非常に参考になりました。

また、マルトクショップなら木材サンプルを1つ110円で取り寄せできるので、木材に対する色の入り方を試し塗りして確認した方が安心だと思います。

脚は格安のスクエア脚

脚はかなでもののスクエア脚によく似た「エイ・アイ・エス(AIS) テーブルキッツ脚ハイタイプ(口型)」を購入しました。
見た目はそっくりですが、値段が格段に安くて7800円ほどです。
全体のサイズは幅(奥行き)63 × 高さ67cmで、前述の天板と合わせて高さ70cmのデスクということになります。

私の体格的にほぼほぼ関節90度で自然な体制を取れそうだったので、強度や耐久性が若干心配ですが、コストを優先してこの脚にしました。

作業工程

基本的に塗装して脚を付けるだけですが、デスクとして使うので可能な限り滑らかな表面となるよう、塗装後にウェット研磨をします。

また可搬性を上げるため、鬼目ナットを使って脚を取り外せるようにします。

ワトコオイルで塗装

マルトクショップで購入した木材は事前に240番で研磨してくれているそうなので、改めて研磨する必要はないと思います。

ワトコオイルの塗布には刷毛を使いました。床に置いたままだとサイドが塗り辛いので、天板を適当な台座に載せておくと塗り易いです。
サイドを塗るときは表面への液だれに注意しつつ、「裏面 → サイド → 表面」の順番で全体を塗り、1時間ほど乾燥させます。その後、染み込みきらなかった余分なオイルを乾拭きして、同様の手順で2度塗りします。濡れている状態で裏返すとくっついてしまうので、注意が必要です。

2度塗り後、濡れている状態のまま研磨(ウェット研磨)します。

ウェット研磨

ワトコオイルの使い方にも書いてありますが、オイル塗布後に耐水の紙やすりで研磨すると、オイルが浸透した削り粉が木材の繊維の隙間を埋めてより滑らかな表面になるそうです。

どれくらい細かい番手まで研磨するかは気力と労力によりますが、自分のためのものなのでできるだけスベスベにしたいところです。使い方には400番までとありますが、400番だと若干ザラザラ感が残る印象で、800番まで研磨すると既製品と同程度という感じです。1600番は労力と効果が見合わないと思います。表面とサイドのみで裏面は省略しました。

ウェット研磨が終わったら乾拭きして、オイルが完全に乾くまで乾燥させます。
少しずつオイルがにじみでてくるのですが、放置しているとそのまま跡が残るので数時間おきに乾いた布で拭き取ります。48時間ほどで出なくなったように思います。

ワックス添付

仕上げにwood foodというワックスを塗ります。

天然成分のみで作られていて、木材の保湿・保護の効果があります。

撥水効果もあるそうですが、あまり過信はできません。もっとガチガチに水に強くするなら油性のウレタンニスを上塗りするといいと思います。

かわいい竹製のへらが付いていますが、かわいすぎて使えませんでした。

上側がワトコオイルのみ、下側がwood foodを塗った後です。ワトコオイル乾燥後は思ったより色が落ち着いてサラッとした感じでしたが、wood foodを塗ることで艶が増して色味も深くなりました。

鬼目ナットの取り付け

いよいよ脚の取り付けに掛かります。脚に付属するネジで直接ネジ止めもできますが、今回は簡単に取り外しできるように鬼目ナットを使います。天板の割れ防止にもなります。

使用する鬼目ナットはM6 x 15mm、天板の厚み半分の深さでM6だと脚付属のネジがそのまま使えます。

あらかじめ取り付ける位置に印をつけてから、先三角タイプの8mm径ドリルで深さ15mmの下穴を開けます。ドリル先端がネジになっている先ネジタイプはネジの推進力でどんどん進んでいってしまうため、貫通させない穴の場合は先三角タイプのドリルが適しています。

ドリルストッパーがあると狙った深さで止めるときに便利ですが、マスキングテープでも十分です。

ナットの周りに軽くボンドを付け、六角レンチでねじ込みます。

全ての鬼目ナットを取り付けたら、後は付属のネジで脚を取り付けて完成です。

ちなみに今回はモニターに向かってキーボードを叩く以外に作業できる空間が欲しかったので、全く同じものを2つ作ってL字デスクにしてみました。

静止画では分かりませんが光の反射率が割と高く、見る角度によって雰囲気が変わるので結構きらびやかです。

掛かった費用と時間

材料単価

品目 価格
アカシア集成材の天板 21,060円
テーブルキッツ脚 ハイタイプ 2本組 7,800円
鬼目ナット M6*15mm 50個入り 899円
ワトコオイル ダークウォルナット 1L 2,800円
wood food 蜜蝋ワックス 180ml 1,998円
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34,557円

実際は2つ作ったので天板と脚を2セットにすると、63,417円です。
その他、細かい工具等を買っていますがここでは割愛します。

日程

天板の注文から発送まで3週間ほど、塗装に1日、乾燥2日、組み上げ1日でトータルざっと1ヶ月ほど掛かりました。実際に作業に掛かった時間は5日程度です。

機能性レビュー

一応簡単にレビューをすると、いくつか気になる点があります。

奥行き70cmはゆとりがない

70cmという奥行きは必要十分ではあるのですが、ジャストサイズ過ぎて余裕がないように感じます。気分転換に自分やキーボードの位置を少し変えようと思ってもその制約に縛られます。ダイニングテーブルへの転用も厳しいです。

L字にするため必要以上に大きくしませんでしたが、次作るとしたら80cmで作ると思います。

脚が若干グラつく

この点はコスト優先のため多少致し方ないところもありますが、手の振動が伝わりグラつきます。

キーボードを打つ、マウスを振り回す上ではあまり問題にはなりませんが、ものを書くような動作の場合は気になります。

筋交いを入れれば耐震性は上がりますが、デザイン的にも本末転倒なのではじめから高耐久な脚を買った方が良いです。

まとめ

アカシア集成材と安価な脚を用いて、木目が映えるモダンなPCデスクを作りました。

コストを抑えつつ実用的な作業スペースが構築できたこと、何よりデザイン的にもおしゃれで満足しています。

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